身近な熱力学♪
最近、物理化学の授業で、珍しく ”NOT『熱力学の式オンパレード』”な日があったんだけど、
多成分系のギブズエネルギーG、エントロピーS、温度T、エンタルピーH 、化学ポテンシャルμ・・・
でちょっとマンネリ気味? だったからそれが、具体的な現象にどう生きているのか?
っていう話は新鮮だし、素直に物理化学に感動した(^O)=3
例1
C(ダイヤモンド)とC(黒鉛)
それぞれの物質の生成エンタルピーΔH の大小によれば、安定性はダイヤ<黒鉛。
まあ、だからこそ生成しにくいダイヤは希少なんだけど・・・
「ダイヤは<準安定状態>だ・か・ら、
君達の指につけてるダイヤも・・・ってまださすがにダイヤの指輪をつけてる子はいないか\(^^:;) でも将来つけたとして、いつかは黒鉛になりますよ!! まあ、君達が死ぬまでには成らないかも?だけど・・・ダイヤ→黒鉛は”自発的反応”ですから!(^_-)-☆」
って言ったのには笑えたww
・・・って京大理学部、学生みんながダイヤの指輪をはめてる程セレブ揃いなわけ無いでしょ、先生!(笑)
例2
水と油が混ざらない訳
水と油の混合ギブズエネルギーΔGmix=ΔH-TΔS
ちなみに自発過程はΔG<0。で、混合により分子間の相互佐用を表すΔHでは有利だけど、ΔSで不利となり、結果的にΔG>0だから水と油の混合は自発的には起こらない。
で、ここで問題なのは、「何故、エントロピーSで不利か?」ってこと。
油分子が水の中に入ると、それまでバラバラだった水分子が水素結合で油分子を取り囲むように繋がって ”整然と並ぶ”とか。
すると、無秩序→油の周りに規則的に並ぶ、つまり乱雑さ減少ってことでΔS<0になる。
こんな身近な現象でも、こんなふうに考えると新鮮だよね♪♪
しかも、これがタンパク質→油、周りの体液→水のアナロジーで生体内のタンパク質の振る舞いを考える場合にも有効らしい。
近々、高校化学のタンパク質の変性に関する記述も改められそう!!
タンパク質は変性しても、その原因を取り除けば、元に戻る! ってね(゜▽゜)
では
嶋田ありさ