A-LeroyのQueerなΨ難日記

Beauneへ行きたいA-のΨ難とかクィアなセクシャリティーとか

前回の記事について

今晩は。今回は、前回の記事に対して頂いたコメントに、私なりにお答えしたいと思います。

ちょっと長いので、本文で取り上げました。バク様、ありがとうございました。いろいろ考えるきっかけを得られました、そして良い勉強になります。

>この場合、ヘルムホルツ自由エネルギーFのことを指していると思うのですが、正準分布におけるFとは、熱浴に接している物体が等温を保ったまま外界にエネルギーを供給できるエネルギーを意味していると、私は解釈しています。

 すると、強磁性でイジングスピンが揃うとエネルギーEが低くなるが、Fはそうならないと言うことは、温度が低い状態でエネルギーを取り出せる(省エネのような)と言うような意味にとらえましたが、どうなんですか?

→仰る通り、私が話題にしているのは、Fです。確かに自由エネルギーとは、「外部に対する最大仕事」と言われますね。しかし、(ミクロにはともかく、)マクロには、なーんにも起こってないような、静的な状態で、落ち着いてる状態を<平衡状態>と定義してるのではないでしょうか? この状態において、Fは定義されるのに、

「外部に仕事する」という動的なことは、どうも不思議な感じがするのです。

 >あまり意味がよくわかっていませんが、状態数WはエネルギーすなわちTに依存する量ですので、Tを決める必要があるはずです。この場合、イジングスピンの向きの分布は温度Tによって制約を受けるはずで。具体的にはボルツマン分布

P(E)=Nexp(-βE)

に沿うことになります。

 従って、様々なTを与えて、そのときのE(P)の分布を調べることになるのが、ブログ主様のテーマになると思うのですが…

→その様々なT自体が何か??といつも思うのです。

>よく意味がわからないのですが…

→すみません。文章が稚拙なのでしょうm(__)m 私のこの疑問をわかってもらうのに、私の先生や理学研究科の教員ですら相当時間が必要でした。今でも100%ではないでしょう。もちろん、同級生、先輩にも直接、いろいろと話をしてきました。

>目的は最小になるF(P)を探すことでしょうか?すると、<E(P)>やW(P)の具体的な式は決まっているのですか?

 「熱力学や統計の知識が邪魔」ではなくて本来『必要』だと思うのですが…

→論文やレポート、講義では、それを目的として議論がされていますが、

私には、自由エネルギーの概念がよくわからないので、心から最小のF(P)を求めたい! と思えないのです。

私の先生のお言葉なのですが、私も戸惑ってます。 ただ、私はどうしても、「熱力学に合うように作られた」統計物理学が、なぜ、熱力学と合うのか?という疑問は尽きないのです。この疑問自体がおかしいのかもしれませんが。

>私の理解では、<E(P)>はボルツマン分布で全ての和をとった値であり、kTln W(P)はエントロピーSなので、同様に分配関数Zを用いて

S=klnZ+E/T

から求めるものと思います。ただ、今回は具体的に↑or↓があり、状態数Wが決められるので、上式を用いるまでもないと思います。「そんなものは、忘れなさい 」の意味はそこにあると思います。

アドバイスありがとうございます。

私の先生は、「まだ分配関数を議論する段階ではない。ボルツマンの時代には、そんなものなかったんだから。

集団を見たときに、現実にやってみなくても、観測しなくても、その集団について何が言えるのか?? という話なんだ。 それを、うまく言い表せるものを自分で作ってみなさい。 あるもの(温度、エントロピー)を自分で確かめてみなさい。 」と仰るので、

まだ、分配関数のことを深く考えたことがないのです。でも、初めて習った時から、ずっと「分配関数って何?

なんで、そんなに重要なの? 膨大な数を取り扱うのに、全部の微視的状態のエネルギー和なんて本当に求められるの? 」と思ってました。

今後、避けて通れない議論だと思いますので、また、今度機会ある時に。

>N=30くらいまでを想定し…

それよりもそんな数で良いのでしょうか?

もし私が計算するとすれば、やはり∞個を考えて、分配関数を使うことを考えますが…

→今、ナノサイエンスなどで、中途半端なサイズの系の性質が議論されることがよくあるそうです。そのような系に対して「温度」をごく普通に述べる方々がいらっしゃったようですが、それは、完全に間違いではなくとも、慎重になる必要がある、と私の先生が仰ってました。 実際に、この程度のスピンがある形に並んだ系に関する自由エネルギー面の論文は複数ありますし、化学統計力学のレポートでは、6個のスピン(溶媒)が溶質分子を取り囲む系の自由エネルギー面を考えてます。いくらレポートとはいえ、これが全く無意味なものだったら、統計の講義で毎年毎年こんなレポートを出さないだろう、と私は、信じたいです。

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私がまだまだ未熟で、私自身が、自由エネルギーとその周辺の物理学の勉強が全く足りていませんので、このような不十分なお返事しかできないことをお許し下さいm(_ _)m

どうか、これからもよろしくお願い申し上げます。

今度、また、残りのコメントにもお返事いたしますね(*^^*)