A-LeroyのQueerなΨ難日記

Beauneへ行きたいA-のΨ難とかクィアなセクシャリティーとか

大いなる沈黙へ

前期の講義のレポートもすべて終えて、夏休みになり、少しだけ帰省しています。
そんなわけで、映画に出かけました。

【大いなる沈黙へ】というタイトルのドイツの映画。

最も戒律の厳しい修道院の日常をただひたすらカメラで写した作品。
ナレーション、音楽、特殊撮影など一切なし。カメラで撮った映像を編集しただけ。音は修道院の生活の中で発生する自然音のみ。

非常に【静かな】作品。
神秘に満ちた、未知の不思議な世界。

約3時間の大作ということで眠くなるのでは?  退屈するのでは? という懸念が少しはあったが、それは全く無く、むしろ瞬きすら忘れてメガネをかけて(私は、普段、基本的には裸眼で生活してます) 見入ってしまい、ドライアイになりそうでした(^^;;

途中で、「平和」という言葉を含む神の言葉が登場し、

終わった後にすぐに私が思ったのは、
「世界で、有史以来ずっと、宗教の絡む戦争が幾度繰り返されてきただろうか? そして、宗教は、本当に根深いものでしょう、 きっと人類が絶えるまで、宗教絡みの戦争はなくならないのだろう……。 しかし、このような人々ばかりがこの地球上にいたら、宗教が存在したとしても、きっと、戦争は、ないだろうなぁ。この修道院の彼らは、きっと戦争をしたことがないだろうな、
いや、【戦争】という言葉自体が辞書にないのかもしれない……?
悪は無く、神の善のみが彼らを支配する世界なのだろう。」

と思った。

彼らは、聖歌を歌い、誓いの言葉の述べる以外には口をほとんど開かない。
人間が普通に生活して自然に口にするような挨拶や礼も言わない、極めて無口のように思われる彼らが、
神から許された時にだけ、外へ出て、仲間同士で声をあげて笑いながら語り合う様子が、
ものすごくコントラストを成すようで、極めて印象的だった。
私は、彼らもやはり人間なんだ、
と一種の安心感のようなものを憶えた気がした。
得体の知れない世界、
あまりにも未知の、遠い世界であるために好奇心が動かされる、
しかし、私には到底理解出来ない、まして、彼らの生活の真似など有り得ない世界を少しだけ垣間見し、好奇心が満たされたことによって満足感を得たのだろうか。

「死は、神に近づくこと。神である父に再会すること。 だから、幸せなこと。  
盲目になって良かった、魂がより良くなるのだから……」と盲目の老修道士が静かに穏やかに語る場面があり、非常に印象的だった。
多分、それは、あまりにも私には受け入れがたい考え方であるから。


3時間以上の長い映画、それも、ナレーション、音楽一切なし、極めて静的な映画にも関わらず、その長さを感じさせず興味深くみていられた。
この映画を見て良かったと思うのだけど、
欠点としては、
もともと非常にわかりにくい多くの人にとって未知の世界を題材にしているのに、説明が全く無くて、??!?(・_・;?消化不良な感じがある。
何を映しているのか、何をやっているのか、聖書の引用の説明、もう少し字幕で補っていればもっと良いのに・・・と思う。

みなさんももし機会あったらぜひ見て下さいね(*^^*)
いろいろ考えさせる映画であることは確かです。
極めて非日常的な映像、不思議で神秘的ですらあり、好奇心がそそられます。 
オススメ出来ますよ!

{1ED42EF3-A485-4B0C-B6C6-DB6A99C0555C:01}